オープンデータプラットフォームアライアンス ー Mike Olson

投稿:Mike Olson、2015年2月17日

本記事は、弊社Chief Strategy Officerである Mike Olson が公開したVision Blogを翻訳したものです。原文についてはこちらをご覧ください。


今朝、PivotalとHortonworksがオープンデータプラットフォームイニシャティブを設立することを発表しました。Clouderaはこれに参加することはありませんが、その理由をご説明しましょう。

私は、エンジニアとして業界連合のようなものをあまり好ましく思っていませんし、特にベンダーが主導する場合はそうです。こうした組織は、推進役を果たすどころか、テクノロジー業界のイノベーションを遅らせることが多いのです。私は、オープンソフトウェア財団 (OSF) の設立をこの目で直に見てきました。設立に参加したのは、レガシーなUNIXから派生したオペレーティングシステムを守ろうとするレガシーなベンダーです。1988年には、バークレイソフトウェアディストリビューションをベースにした、無償のUNIXバージョンが拡散し、どのベンダーも危機感を持っていました。今では当たり前のようになったLinuxは、OSFに関与することもなく、急成長を遂げ、イノベーションをもたらして、プロプライエタリーなUNIX市場を崩壊させたのです。

私はこのことから、コードは資金に勝ることを学びました。

PivotalとHortonworksは、Apache Hadoopエコシステムの標準化を望む、業界全体の声に押されてODPを設立した、と主張しています。

私にはそうは思えません。

まず、そのような要望が本物だとすれば、改革をリードしている多数のISVやカスタマーが名を連ねるはずですが、それが見当たりません。Pivotalが中心的な役割を果たしているということは、Pivotalの戦略を反映することが最優先で、業界全体を反映したものにはならないと考えられます。さらに根本的に、このブログを書いている現在、Clouderaのパートナーエコシステムには1,447もの企業が名を連ねていますが、Hadoopのコアにアプリケーションを構築する上で、混乱が生じているというような話は一度も耳にしたことがありません。

いずれのベンダーが提供するHadoopディストリビューションも、Hadoopの主要部の上に構築されたものです。APIやデータフォーマット、主要部のセマンティックに違いはありません。プロジェクトは10年を経過し、世界に広がっているHadoopコミュニティは、ガバナンスの責任を果たしています。Hadoopのコアとなるコンポーネントと、各ベンダーが提供するものに、基本的に非互換性というものは存在しないのです。

もちろん、すべての出荷製品は異なっています。補完的なパッケージやカスタマーが求めるサービスが何か、各ベンダーが最善の判断をします。Red Hat Enterprise LinuxやSUSE Linux、CanonicalのUbuntu製品でも同じことが言えます。ベンダー自らがベストだと判断を下すからこそ、マーケットが上手く機能するのであって、ベンダー主導のコンソーシアムの指揮によるものではありません。

そして、私の最大の関心はコミュニティにあります。

ソフトウェア業界は、オープンソース開発モデルの成功によって、根本的な改革を続けてきました。優秀なエンジニアは、インターネットを利用して協業します。創造力、才能、そして自分のコードを世に出したいという意欲があれば、誰でもコミュニティに参加できます。才能さえあれば、住んでいる場所や経歴に関係なく仲間になれるのです。

Apache Hadoopが成功を納めている理由は多くあります。Hadoopは、データストレージと分析のための、強力な新しいプラットフォームです。過去のどんなシステムよりも大幅に安価に済みます。しかし、Hadoopが成功した根本的な理由は、オープンソースであることです。グローバルなコミュニティは、どんなにアジャイルな企業よりも早くイノベーションを起します。ユーザーは無償でソフトウェアをダウンロードして試すことができ、一緒に改善の努力を払うことができます。プロプライエタリーなプラットフォームソフトウェアは、オープンソースソフトウェアにその座を明け渡しつつあり、1社が占有するプロプライエタリーなプラットフォームは、もう二度と目にすることはないでしょう。そして、Hadoopがその最初で最高の例です。

PivotalとHortonworksのアライアンスは、そのマーケティングのやり方とは裏腹に、オープンソースモデルやApacheのやり方とは正反対のものです。

ASFはベンダーにオープンですが、ODPは実際にはオープンではありません。ベンダー主導のコンソーシアムであり、大金を積んだベンダーだけがメンバーになることを許されます。「金がものを言う」アライアンスと呼んでも良いかもしれません。ここに参加するには、Apacheプロジェクトに参加している個々のエンジニアや実際にコーディングしているメンバーなど、Hadoop標準に実際に携わっている人々の財力を確実に超える金額が必要です。一方、Hadoopのディベロッパーは既に、試用、テスト済みの優れたオープンソースコラボレーションツールを使って、標準の設計や構築にコラボレーションしています。

ベンダーも参加できます。ベンダーもグローバルなApache開発コミュニティに参加し、優れた開発者や人材を送り込むことができます。そしてApacheソフトウェア財団の中で、標準に対する意見を主張し、構築を支援することができます。

Pivotalは、明らかにHadoopエコシステムとASF全般の参加から退いています。ODPはPivotalが、プラットフォームに実質的な貢献がなくても、その意思を行使し続けることを認めるでしょう。

1990年台の半ばまでに、OSFは意味がないものとして大きく後退しました。今では、Linux開発コミュニティの影響力が重要であり、レガシーなUNIXベンダーは散り散りになっています。ODPもまた、時代に逆行するマーケティング努力だけで終わってしまう可能性があります。

しかし、仮にそうであったとしても、誤りであることに違いはありません。Hortonworksの仲間もオープンソースコミュニティに深く関わっています。彼らはHadoopエコシステムに多大な貢献をしています。Hortonworksはビジネスの上では競合相手ですが、プラットフォームに対する協力関係では非常に高く評価しています。私は、彼らの影響力がオープンソースの何たるかを理解していない、大金を提供するだけの相手に利用されることが、残念でなりません。

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