欧米で広がる個人情報のデータ倫理の問題

Cloudera Japan Marketing
Cloudera Japan Official Blog
3 min readMay 25, 2018

--

Cloudera株式会社 代表取締役 中村共喜

早いもので、現職に就いてから7か月が経ちました。おかげさまで、業界問わず数多くのお客様とお話しをさせていただく機会が増え、ビッグデータの利活用に対する機運の高まりを強く感じています。年初に「お客様がデータのご活用をお考えになった時に最初にご相談いただけるパートナーになりたい」と目標を掲げましたが、社員一丸となって尽力してきたことが少しずつ実を結んでいると肌で感じております。

議論が広がるデータの倫理

Clouderaの最終的なゴールは、より多くのお客様がデータの活用を通してデジタルイノベーションを加速し、ビジネスの発展を遂げていただくことにあります。データの活用が進むことはこの上なく大変喜ばしいことです。しかし一方で、昨今Facebookの個人情報の流出とそれが引き起こした議論などを見ると、急速な技術革新の変化にデータの適切な取り扱い方に関する共通認識の形成が追い付いていない現実が見え始めました。SNSなどから集まる個人情報だけでなく、IoT機器や多様なスマートデバイスからのデータも活用し発展を目指す企業が急増する中で、データの適切な取り扱い方に関する考え方、すなわち「Data Ethics (データ活用に関する倫理)」についての議論が必要となっています。

データ活用のための4原則

弊社のチーフアーキテクトであるDoug Cuttingがここ数年、この問題に取り組んでおり、データを扱う企業が「暴君」にならないようにするために、以下の4原則を提唱しています。

1. 「透明性」

データを収集しようとする企業は、利用者に対してその目的や扱い方を周知する

2. 「ベストプラクティスの作成」

データの分類方法やアクセス権の設定などの具体的な運用および管理方法を業界で作成する

3. 「乱用の定義」

データの利用範囲を明確にし、技術的には可能でも倫理的にやってはいけないことを明確に線引きする

4. 「適切な監視」

国家主導ではなく、業界が率先して協力しルールを作り順守する

日本でも「Data Ethics」の議論を

欧州では企業に個人情報の利用を厳しく制限する「EU一般データ保護規制(GDPR)」が5月25日より施行され、日本企業にも大きな影響を与えるとみられています。日本でも、今後データの活用が増えることによって、データを扱う上での倫理の問題は益々重要になってきます。日本においても先の4原則を踏まえた「Data Ethics」の議論を始める時期ではないでしょうか。

お客様が安全にかつ安心してデータを活用し、ビジネスを発展させるお手伝いをすることが、Clouderaの責務と考えています。そのためにもあらためて「Data Ethics」の視点とデータのプロフェッショナルとしての義務を忘れることなく、お客様をサポートさせていただきます。

--

--